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伊藤 あゆみ*; 山下 晋; 田崎 雄大; 垣内 一雄; 小林 能直*
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(4), p.450 - 459, 2023/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)The rapid dissolution of UO in molten Zr that could occur during fuel-cladding liquefaction at high temperatures and its kinetics were reformulated considering the convective mass transfer and the chemical effect at the UO/Zr interface. The mass transfer coefficient of U was obtained as a correlation including the aspect ratio term by CFD analysis. To explain the gap between the rapid dissolution rate observed in the experiments and the density-driven convective mass transfer, we introduced an idea in which the eutectic melting at the UO/Zr interface promotes the grain detachment owing to infiltration of the U-Zr-O liquid into the UO grain boundaries. The developed model was validated with UO-Zr crucible experiments at 2273 and 2373 K. The calculated mass percentage ratios of U/Zr agreed with the measurements and the transition times from rapid saturation to precipitation were consistent with the metallographic observations.
宇田川 豊; 田崎 雄大
JAEA-Data/Code 2021-007, 56 Pages, 2021/07
FEMAXI-8は、軽水炉燃料の通常運転時及び過渡条件下の挙動解析を目的として日本原子力研究開発機構が開発・整備を進めてきたFEMAXIコードの最新バージョンとして、2019年3月に公開された。本報告では、公開以降新たに整備を進めた、燃料結晶粒内核分裂生成物(FP)ガスバブルの多群/非平衡モデルについてまとめた。結晶粒内で様々なサイズを持って分布しているFPガスバブルを単一の大きさのガスバブルにより近似していた従来のモデルに対し、このモデルでは、バブルサイズに関する2群以上の群構造と非平衡な挙動の双方を表現することが出来る。これによって、妥当なオーダーのガスバブル圧力算定が可能となるなど、主に過渡的な挙動の再現性改善が見込めると共に、粒内FPガスバブル挙動についてより厳密な記述が可能となり、FP挙動モデリング全体としての高度化余地が拡大している。今回のモデル整備では、まず、任意の群数や空間分割に対応する粒内FP挙動解析モジュールを開発した。次に、FEMAXI-8上で容易に運用可能な2群モデルとして扱うため、同モジュールとFEMAXI-8間のインタフェースを開発し、両者を接続した。これによりFEMAXI-8から利用可能となった2群モデルについては改めて検証解析を実施した。多群/非平衡モデル適用時にも一定の性能を確保できるモデルパラメータを決定し、公開パッケージ向けに整備した。
小野澤 淳; 串田 輝雄; 金澤 浩之
JAERI-Tech 2004-061, 39 Pages, 2004/11
照射済み燃料に生じるスエリング(体積膨張)は、照射による核分裂生成物(FP)のペレット内への蓄積によって発生する。スエリング率は、照射中の中性子束密度に依存するため、ペレットの中心部と外周部ではその値が大きく異なる。これらを詳細に比較するためには、ペレットから採取した幾つかの微小試料(数mgから数十mg)の密度を正確に測定する必要があるが、原研・燃料試験施設における現有の放射性試料対応型密度測定装置では、微小試料の密度を高精度で測定するのは困難である。このような背景のもとに、高い放射能を有する微小な試料の密度を、遠隔操作によって高精度かつ容易に測定を可能とするワンススルー型微小試料密度測定装置を開発した。本開発では、31tmmの試料における密度値1%TD以下,標準偏差0.05以内を目標精度とした。形状,重量,密度の異なる金属標準試料及びセラミック標準試料を用いた種々の特性試験の結果において、当該装置に期待される十分な性能を有することが確認できた。また、可動部をモーター駆動することにより測定にかかわる一連の流れを自動化し、遠隔操作にて容易に密度測定が可能となった。今後、本装置をホットセル内に設置する予定である。
中村 仁一; 杉山 智之; 中村 武彦; 金沢 徹; 笹島 栄夫
JAERI-Tech 2003-008, 32 Pages, 2003/03
原研・原子炉安全性研究炉(NSRR)を用いた反応度事故の模擬実験において、将来のプルサーマル利用に対応するため、プルトニウム富化度12.8%までの混合酸化物(MOX)燃料の使用を計画している。この変更に伴うカプセルの安全設計への影響として試験燃料の破損時に発生する破壊力(衝撃圧力及び水撃力)に及ぼすMOX燃料の富化度の影響について検討した。試験燃料の破損時に発生する衝撃圧力は、燃料被覆管破損時に内部の高圧ガスが解放されて生じるものである。燃料棒内外差は初期圧,FPガス放出量に依存するが、MOX燃料のFPガス放出は富化度に依存しないため、衝撃圧力は富化度の影響を受けないと結論された。また、微粒子化した燃料と冷却水の熱的相互作用で発生する水撃力については、微粒化した燃料粒子から冷却水への熱流束を、高富化度化による熱物性値の変化を考慮して解析評価した。その結果、UO燃料と同程度に微粒子化したMOX燃料粒子から破壊力が発生する極短時間において放出される熱流束は、MOX燃料はUO燃料に比べてわずかに小さく、水撃力を増加させないものと判断された。
安藤 良平*; 西原 健司; 高野 秀機
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(10), p.924 - 933, 2000/10
将来の商業炉において高燃焼度燃料やMOX燃料が使われることにより、使用済み燃料からのマイナーアクチノイド及び核分裂生成物は多様化する。これを評価するために必要な計算手法を検討し、軸方向の燃焼度と減衰材密度分布を考慮した燃焼計算を行った。今回の計算では、さまざまな使用済み燃料(PWRかBWR、燃焼度33,45,60GWd/HMt、UOかMOX燃料)の燃焼時組成変化を明らかにした。それによって、PWRとBWR間のマイナーアクチノイド生成の相違などか示された。
宇根 勝巳*; 野北 和宏*; 白鳥 徹雄; 林 君夫
Journal of Nuclear Materials, 288(1), p.20 - 28, 2000/09
被引用回数:19 パーセンタイル:77.9(Materials Science, Multidisciplinary)本論文は、平成8~9年度に行った原研-日本核燃料開発(株)(NFD)共同研究のまとめの一部である。原研JRR-3Mにおいて、550-630の等温条件で被覆管による拘束圧力なしに51,86及び90GWd/tの高燃焼度まで照射したUO燃料ディスクについて、詳細な組織観察、元素分析及び密度測定を行った。ペレット被覆管相互作用(PCI)拘束力のリム構造形成に及ぼす効果を明らかにするため、得られたデータを高燃焼度ジルカロイ被覆管型燃料ペレットについてこれまでに報告された結果と比較した。86及び90GWd/tの高燃焼度ディスクについては、巨大気泡及び高気孔率を伴う多孔性のリム構造が認められたが、51GWt/dのディスクについては認められなかった。気孔率増加のデータなどから、粗大化したリム気泡の析出と成長が燃料のスエリングを引き起こしたことが結論された。また、与えられた局所燃焼度の文献データとの比較において、リム気泡サイズや気孔率が大きく異なっているのは、外部のPCI拘束効果が異なることに起因する可能性を指摘した。
笹島 栄夫; 中村 仁一; 更田 豊志; 上塚 寛
Journal of Nuclear Science and Technology, 36(11), p.1101 - 1104, 1999/11
被引用回数:2 パーセンタイル:21.18(Nuclear Science & Technology)高燃焼度燃料では、ペレット最外周部で局所的に燃焼度が高くなり、その部分では微細化した結晶粒と多くの粗大気泡を含むいわゆるリム組織が形成されることが知られている。リム部に保持されたFPガスはRIAなどのトランジェント時に燃料挙動にどのような影響を与えるのかが懸念されている。そこで、NSRRパルス照射試験でペレットから放出されたFPガスを分析し、FPガスがペレット径方向のどの領域から放出されたかを同定することを試みた。すなわち、RODBURNコードを用いて燃焼度の増加に伴うXe/Kr比の径方向変化を計算し、燃料棒のガスパンクチャ試験で測定したFPガスの組成(Xe/Kr)から、主たるガス放出の位置を推定した。この結果、パルス照射時に放出されたFPガスはリム部からおもに放出されたものではないことが明らかになった。
柳澤 和章; 大道 敏彦*; 白数 訓子; 室村 忠純; 松田 哲志*
JAERI-Tech 99-032, 65 Pages, 1999/03
便宜的にPuOをUOで代替した模擬岩石型燃料を製造し、炉外試験に供した。得られた主たる知見は以下のとおり。(1)模擬岩石燃料のガス置換密度(GID)は、4.9から5.4g/ccの範囲であり、その値はUOの47-52%であった。(2)模擬岩石燃料の融点(MP)は1,91139Cであり、UOの融点より30%低かった。(3)線膨張係数(LTE)は、温度1500Cまで模擬岩石燃料とUO燃料に差異はなかった。(4)模擬岩石燃料のクリープ速度はMgAlO成分に強く依存した。(5)硬度(Hv)はMgAlOの構成成分であるAlOに対して敏感で、その量の増加によって模擬岩石燃料はより硬くなった。温度300Cまでの範囲で模擬岩石燃料とUOの硬度を比較したが、前者は後者に比べ著しく大きかった。(6)熱拡散率に関して、模擬岩石燃料とUOとの間に大きな差異はない。同様に、模擬岩石燃料とGdOを10wt%まで添加したUO燃料との間の熱拡散率にも差異はなかった。模擬岩石燃料の熱伝導率とUOのそれとに差異はなかった。
中村 仁一; 内田 正明; 上塚 寛; 古田 照夫
IAEA-TECDOC-1036, 0, p.127 - 138, 1998/08
燃焼度63MWd/kgUの高燃焼度UOペレットの熱拡散率をレーザーフラッシュ法により室温から最高温度1800Kにかけて測定した。高燃焼度ペレットの熱拡散率は、未照射ペレットに比べて室温で半分以下に低下したが、両者の差は温度の上昇とともに小さくなる傾向を示した。測定最高温度を上昇させながら測定を繰り返したところ、熱拡散率は、800K~1200Kにかけて次第に上昇する傾向を示した。これは照射損傷の回復による熱拡散率の上昇であると推定される。試料間の熱拡散率のばらつきは主として試料密度の差で説明できることが明らかとなった。また、高燃焼度ペレットの熱拡散率は固溶FPを添加して化学的に高燃焼度燃料を模擬したSIMFUELに比べてやや小さかった。これはSIMFUELには含まれない照射損傷やFPガス気泡の影響と考えられる。
鈴木 元衛; 斎藤 裕明*
JAERI-Data/Code 97-046, 210 Pages, 1997/11
軽水炉燃料の高燃焼度領域における通常時及び過渡時のふるまいを解析する計算コードEXBURN-Iを開発した。高燃焼領域では、ペレット熱伝導率低下、被覆管の水側腐食、燃料棒発熱分布の変化などが大きくなり、燃料棒のふるまいにかなりの程度影響を及ぼす。こうした現象を解析するため、FEMAXI-IVをベースとしつつ改良を施し、ペレット熱伝導率変化、FPガス放出率の燃焼履歴依存変化、被覆管酸化膜成長などの新たなモデルを組み入れた。本報告は、コードの全体構造とモデル及び物性値の説明を詳細に行い、また詳細な入力マニュアル、サンプル入出力などを添えたものである。
中村 仁一; 内田 正明; 上塚 寛; 古平 恒夫; 山原 武; 菊地 章
Proc. of Int. Topical Meeting on LWR Fuel Performance, 0, p.499 - 506, 1997/03
ハルデン炉で、燃焼度63MWd/kgUまで照射された、UOペレットの熱拡散率の測定を室温から1794Kにかけてレーザーフラッシュ法を用いて行った。高燃焼度UOの熱拡散率は、未照射UOに比べて室温で半分以下に低下していたが、その差は温度の上昇とともに減少し、両者は、約1800Kでは、ほぼ一致した。また、測定最高温度を次第に上昇させながら測定を繰り返したところ、800K-1200Kにかけて熱拡散率が次第に上昇する傾向を示した。これは照射損傷の回復にともなうものと推定された。回復後の熱拡散率は、固溶FPを加えた模擬高燃焼度燃料SIMFUELの値よりやや小さい値を示した。熱拡散率の測定値は、試料毎にばらつきを示したが、この試料間の熱拡散率の差は、試料密度の差で大部分説明できることが明らかになった。
中島 健; 赤井 昌紀
Nuclear Technology, 113, p.375 - 379, 1996/03
被引用回数:5 パーセンタイル:45.07(Nuclear Science & Technology)種々の中性子スペクトル場における核計算手法の精度を調べるために、4種類の軽水減速UO燃料格子の修正転換比(MCR:U捕獲反応率の全核分裂率に対する比)を測定した。本測定では、軽水臨界実験装置TCAで照射した燃料棒内に蓄積したNpとCeの線スペクトルを非破壊的に測定し、U捕獲と全核分裂の相対反応率を求める。測定した格子の減速材対燃料体積比(Vm/Vf)は1.50(減速不足)から3.00(減速過剰)の範囲である。測定したMCRは、0.4770.014(Vm/Vf=1.50)、0.4340.013(1.83)、0.3830.011(2.48)及び0.3560.011(3.00)であった。JENDL-3ライブラリを用いたモンテカルロ計算は、稠密UO格子と同様にMCRの増加に伴い過大評価する傾向を示してはいるが、全ての炉心に対して実験値と良く一致した。
中村 仁一; 古田 照夫; 助川 友英
HPR-347, 12 Pages, 1996/00
ハルデン炉で63MWd/kgUまで照射されたUOペレットの熱拡散率を室温から1800Kにかけてレーザーフラッシュ法により測定した。高燃焼度UOの室温での熱拡散率は、未照射UOの熱拡散率に較べて半分以下に低下しており、両者の差は温度の上昇とともに小さくなる傾向を示した。温度を上昇させながら測定を繰り返したところ、高燃焼度UOの熱拡散率は、800Kから1200Kにかけて次第に上昇する傾向を示した。これは照射損傷の回復によるものと推定される。また、試料間で熱拡散率のばらつきが見られたが、これはペレットのミクロ組織(試料密度、金属FP等)の影響であると推定された。測定された熱拡散率は、模擬高燃焼度燃料SIMFUELの値よりやや小さい傾向を示した。また、測定された熱拡散率から評価した熱伝導度の燃焼度による相対的な低下の割合は、ハルデン炉の燃料中心温度測定データからの評価値と良い一致を示した。
中村 仁一; 上塚 寛; 河野 信昭; 大枝 悦郎; 助川 友英; 古田 照夫
HPR-345 (Vol. II), 0, 13 Pages, 1995/00
ハルデン炉で最高燃焼度62MWd/kgUまで照射された7本の燃料棒の照射後試験が原研で実施されており、現在までに全ての非破壊試験と一部を除いた大部分の破壊試験が終了した。このうち3本の燃料棒は16年間にわたって照射されており、金相試験で照射初期の高出力時に生じたと推定される顕著な柱状晶の成長と中心孔の形成が観察された。これらの燃料棒のFPガス放出は、製造時の燃料密度より、柱状晶の成長と中心孔の形成に大きな影響を受けていると推定された。ペレットの径方向燃焼度分布測定がマイクロサンプリングした試料の化学分析によりなされ、XMA分析によるPuとNdの径方向分布と良い一致を示した。またペレットの平均燃焼度は出力履歴から推定された燃焼度と良い一致を示した。高燃焼度UOの熱拡散率測定データについても報告を行う。
湊 和生; 小川 徹; 福田 幸朔; 清水 道雄; 田山 義伸; 高橋 五志生
Journal of Nuclear Materials, 208, p.266 - 281, 1994/00
被引用回数:43 パーセンタイル:94.59(Materials Science, Multidisciplinary)照射済Triso被覆UO燃料における核分裂生成物の挙動を電子線プローブマイクロスコープにより調べるとともに、核分裂生成物-UO-C系の熱力学的解析を行なった。UO核においては、Mo-Tc-Ru-Rh-Pd合金の他に、Mo,Pd-Te、およびPd-Mo-Snの析出物が観察された。被覆層においては、パラジウム、テルル、セリウムおよびバリウムがしばしば観察された。バリウムおよびセリウムは酸化物であり、テルルはおそらく単体であろう。CeOの蒸気圧計算結果は、希土類元素を含む化学種の中で最も大きかった。バリウムを含む主要なガス化学種は、BaOであった。高温においては、層間化合物であるCCsが、CsMoOに代わって、セシウムの主要な化学種であることが熱力学的解析により示された。
小川 徹; 湊 和生; 福田 幸朔; 沼田 正美; 宮西 秀至; 関野 甫; 松島 秀夫; 伊藤 忠春; 角 重雄; 高橋 五志生
Nuclear Technology, 96, p.314 - 322, 1991/12
被引用回数:12 パーセンタイル:76.62(Nuclear Science & Technology)仮想的な炉心過熱時における被覆燃料粒子の破損を予測するためのモデルを提出した。本モデルは被覆燃料粒子の寸法等の統計的ばらつきを考慮したことと、照射UOの定比性と平衡CO圧との熱力学的評価を行ったことを特徴とする。予測結果を照射後加熱試験結果と比較した。
柳澤 和章
Journal of Nuclear Science and Technology, 28(5), p.459 - 471, 1991/05
本報は、PWR型燃料の塑性流動を加速する目的で、0.29重量パーセントのニオブ(NbO)を添加した燃料による反応度事故(RIA)実験結果について、報告するものである。得られた結果は、以下の通りである。(1)供試添加燃料の破損しきい値は、RIAの安全審査に使用されている過去のNSRR実験データの破損しきい値を下回らなかった。(2)供試添加燃料の破損メカニズムは、被覆管の局所的なふくれによる破裂破損であった。この添加・加圧燃料と過去のNSRR実験に使用した無添加・加圧燃料の破損メカニズムには、有意な差はなかった。
柳澤 和章; 三村 英明; 木村 康彦
JAERI-M 90-164, 64 Pages, 1990/09
ナイオビア(NbO)を0.29w/o添加したUO燃料を準備し、その反応度事故時ふるまいを研究した。以下は、得られた知見である。(1)本実験で用いたナイオビア添加燃料の破損しきい値は、RIA指針値を下回らないことが、明らかになった。(2)本実験条件下での、NbO添加燃料の破損メカニズムは、被覆管の局所的なふくれによる破裂破損である事が、明らかになった。この破損メカニズムは、安全審査指針作成時にデータベースとなった、NSRR標準加圧燃料の破損メカニズムと一致した。(3)バルス照射開始後ふくれ破損に至るまでの時間は、発熱量の増加とともに短くなる事が明らかになった。(4)照射したナイオビア添加燃料の結晶形態観察から、結晶粒界で塑性流動が起こった形跡が認められた。RIA時でも、ナイオビア添加による燃料の塑性流動効果により、PCMIが低減する事が明らかになった。
柳澤 和章
JAERI-M 90-120, 320 Pages, 1990/08
最近の燃料について、過去20年間近くのデータベースに基づいて、炉内ふるまいを中心にした総説を試みた。燃料として(1)発電用軽水炉のUO-ジルカロイ被覆燃料、(2)プルサーマル炉心及びATR用の(PuO-UO)-ジルカロイ被覆燃料及び研究炉用のアルミナイドシリサイド燃料を主に対象とした。第1章及び第2章では、これらの物理化学的な性質と製造技術について、第3章では、通常運転下での照射特性、炉内ふるまい及び過去に於いて発生した燃料の不具合とその防止対象等について、また燃料の高燃焼度化や負荷追従運転を目途としてR&Dがなされている種々の燃料性能の改良努力の現状について、とりあげた。第4章では、過去に発生した原子炉事故について紹介し、原研の安全性研究の一環として成されて来たRIA、PCM及びLOCA時の燃料ふるまいや安全審査時の判断基準データ等について概述した。
林 君夫; 福田 幸朔
Journal of Nuclear Materials, 174, p.35 - 44, 1990/00
被引用回数:1 パーセンタイル:19.59(Materials Science, Multidisciplinary)熱分解炭素(PyC)被覆UO粒子からの金属FPの放出を1600~2300Cの温度範囲において照射後加熱によって調べた。RuおよびEuの放出は、1800C以上の温度では燃料核中の拡散によって律速され、それらの換元拡散係数は互いに非常に近い値であった。PyC層中のCsの拡散係数D(m/s)は、放出割合から次のように求められた。D=1.210exp(-4.1210(J/mol)/RT)この値は、CeのPyC層中の拡散係数に比べて1桁大きかった。PyC層中のFPの拡散係数について、それらのイオン半径および炭化物の安定性の観点から議論した。